ECサイトのSEO対策|具体的な方法から注意点まで解説
最近ではスマートフォンの普及に伴い、インターネット上での買い物が一般的になっています。そんななか、販売事業者や担当者にとって重要となるのが、ECサイトの活用や認知度向上です。ECサイトの認知度向上や集客促進の施策が多くあるなかで、SEO対策も効果的な施策のひとつです。
しかし、ECサイトへのSEO対策を実施する際、実際にどのような対策を行えば良いか、分からない方も多いでしょう。
本記事では、ECサイトに有効なSEO対策の考え方や具体的な対策方法、注意点などを紹介します。これからECサイトの活用に向けた施策を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
この記事のポイント
- SEO対策は即効性はないが、コストも抑えられて持続性もあるため、ECサイトの集客力に優れている
- SEO対策においては「コアウェブバイタル」「モバイルファーストインデックス」「E-A-T」の3つの考え方が重要
- ECサイトで効果的なSEO対策は、「内部対策」、「外部対策」、「コンテンツ対策」、「ユーザビリティの向上」の4つ
- SEO対策では、Googleのガイドラインに違反する行為に該当しないように注意が必要
- ECサイトのSEO対策なら、Webマーケティングやコンサルティング会社の利用もおすすめ
SEOとは
SEOとは、「Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)」の略称です。SEOは、検索エンジンから自社サイトへの訪問者を増やすマーケティング手法です。具体的には、特定のキーワードで検索した際、検索エンジンの上位に表示されるように、あらゆる方法で対策を行います。
検索エンジンの上位に表示されることで、結果として自社サイトヘの訪問者も増えていきます。現在の検索エンジンの国内シェアは、Google・Yahoo!が大半を占めます。また、Yahoo!の検索エンジンにおけるSEO基準はGoogleのものを適用しているため、Googleの定めるSEO基準を抑えることがSEO対策では重要です。
SEOの重要な考え方
次に、SEO対策を行ううえで把握しておくべき重要な考え方について紹介します。
ユーザーが検索エンジンをより快適に利用できることを目指して、Googleは検索順位に反映する評価指標をコンスタントに更新しています。そのなかでも今回は、GoogleがこれまでSEOに大きく影響を与える評価指標として公開してきた「コアウェブバイタル」や「モバイルファーストインデックス」、「E-A-T」の3つを取り上げていきます。
いずれの評価指標も、SEO対策を検討するうえで重要な考え方となるため、しっかりと理解しておきましょう。それでは、ひとつずつ詳しく解説していきます。
コアウェブバイタル
コアウェブバイタル(Core Web Vitals)とは、ユーザーエクスペリエンス(UX)の改善を目的とした評価指標です。UXは、ユーザーがWebサイトの利用を通じてどれだけ有益な体験をしたかを表す言葉で、さまざまな要素で判断されます。そのなかでもコアウェブバイタルは、Googleが2021年6月以降に評価指標として追加しました。
コアウェブバイタルには、大きくわけて3つの指標「LCP(Largest Contentful Paint)」「FID(First Input Delay)」「CLS(Cumulative Layout Shift)」があります。これらの3つは、Webページの安定性や表示速度に関連する指標です。それぞれの指標について、簡単に説明していきます。
まずLCPとは、Webページ内でメインとなるコンテンツ(動画や画像など)が表示されるまでの待機時間を評価する指標です。コンテンツの表示が早いほど、ユーザーのストレスもなく、満足度も上がるでしょう。LCPでは、コンテンツの読み込みを開始してから2.5秒未満であれば、UXが良好と評価されます。メインコンテンツの容量が重い場合には、読み込みに時間がかかって基準値を下回るおそれがあるため、注意しましょう。
次にFIDとは、ユーザーがWebサイトを訪れて、最初に行う操作への反応速度やインタラクティブ性を評価する指標です。FIDで評価される操作としては、タップやクリックに限定されています。FIDでは、ユーザーの操作に対して100ミリ秒未満であれば、良好と評価されます。
最後にCLSとは、Webページに表示されるコンテンツの視覚的な安定性を評価する指標です。Webサイト上の画像やテキストのズレが大きいほど、評価が悪くなります。例えば、アップロードした画像とHTML上の画像サイズの不一致などで、画像の歪みの発生などが挙げられます。CLSでは、Webサイト上の安定性を0〜1の評価スコアを設定しており、0.1未満で良好と評価されます。
モバイルファーストインデックス
モバイルファーストインデックス(Mobile First Index)とは、従来のPC版のWebページを中心とした評価から、モバイル版のWebページを中心に評価していくという仕組みです。これまでは、パソコンの利用者が多くPC版Webページを中心にインデックスしていました。しかし、スマートフォン利用者の増加に伴い、2018年頃からモバイルファーストとして、モバイル版Webサイトを評価の主軸にする考えに転換しました。
そのため、これまでPCサイトのみに情報を掲載していた場合は、モバイル対応サイトヘの対応を検討する必要があるでしょう。また、PC版とモバイル版で情報量に差があり、モバイル版の方が情報量が少ない場合、検索結果に表示されない可能性が高いです。そのため、今後は極力モバイル版でもPC版との情報量の差をなくし、どちらにも対応しているサイト作りを意識するとよいでしょう。
E-A-T
E-A-Tとは、「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の略称です。Googleが定義しているWebサイトの品質評価指標のなかでも代表的な指標のひとつです。Googleの検索品質評価ガイドラインでも、ページ品質評価の最重要項目と記載されるほど、SEO対策では欠かせません。ただし、直接的なランキングの要因ではなく、良質なコンテンツとして判断する指標とされています。
Expertise(専門性)とは、Webサイトのコンテンツの内容が特定の専門性を持っているかどうかです。例えば、ユーザーが服の購入を考えた際、特定のジャンルに特化したより具体的な内容のほうが専門性が高くなります。ユーザーが知りたい内容に特化しているほうが、より的確に早くニーズを満たすことが可能です。
次にAuthoritativeness(権威性)は、コンテンツの内容を誰が発信しているのか、という観点で見られます。例えば、医療的な内容を専門家ではない個人が発信するより、医者など有資格者が発信するほうが、上位表示させられます。
最後にTrustworthiness(信頼性)は、Webサイト自体の安全性や運営者や情報の信頼性などを表します。例えば、記載されている情報の参照先が正しく記載されていたり、Webサイトの運営会社の情報を開始していたりするかを、評価されます。
また、2022年12月には、これまでのE-A-Tに「Experience(経験)」を加えたE-E-A-Tの評価指標が、Googleから発表されています。
ECサイトでSEO対策が必要な理由
ECサイトは、商品・サービスの販売を目的としたWebサイトです。そのため、ECサイトで商品の販売を促進するためには、Webサイトへ訪れるユーザーの流入量を増やす必要があります。
ECサイトへの流入経路としては、おもに「広告」「SNS」「自然検索」の3つがあります。これらの流入経路からのアクセスを増やすように、さまざまな施策の実施が必要です。ECサイトのブランド認知度の向上施策としては、広告やSNSが有効です。ただし、この2つの施策は即効性はありますが、施策の費用がかかるなどのデメリットもあります。
一方で、SEO対策は即効性はありませんが、長期的な効果が見込めます。また、SEO対策に伴う試作費用もかからず、検索結果の上位表示を目指せるので、ECサイトへのアクセス増加に向けた重要な施策といえるでしょう。
SEOが集客において優れている理由
先ほど説明した通り、ECサイトへのアクセス増加施策としては、SNSや広告、SEO対策があります。そのなかでも集客面で優れているのは、SEO対策と考えられます。
広告やSNSプロモーションでは、施策を行うための費用がかかったり、広告の停止に伴い流入が大きく下がったりします。SEO対策では時間はかかりますが、検索結果の上位表示されて、自然検索の流入量が継続的に増加します。
また、コスト面でも負担にならないため、長期的な集客戦略として非常に有効です。大きな集客効果を狙う場合、即効性のある広告やSNSプロモーションと、長期的に有効なSEO対策を上手く活用していくことで、大きな効果が見込めます。
ECサイトで効果的なSEO対策
ここまで、ECサイトにおけるSEO対策の重要性や優位性について解説してきました。それでは、実際にECサイトへの訪問者数を増やすためのSEO対策にはどのようなものがあるのでしょうか。
ECサイトで効果的なSEO対策には、「内部対策」や「外部対策」、「コンテンツ対策」、「ユーザビリティの向上」が挙げられます。ここでは、これら4つのECサイトで効果的なSEO対策について、それぞれ解説していきます。
内部対策
内部対策とは、自社のECサイト内部に対して施策・改善を行うことで、上位表示を目指すSEO対策です。内部対策を行う上でのポイントは、Googleの情報収集プログラムであるクローラーがECサイトの情報を適切に取得できるように促すことです。具体的な施策を以下にいくつか記載します。
内部リンクの設置
内部リンクとは、自社サイト内の関連ページをつなぐリンクのことです。Webサイト内で関連性の高いキーワードや商品については、内部リンクを設置しましょう。リンクの設置の際には、URLだけでなくアンカーテキストを利用することで、リンク先の内容を分かるようにすると良いです。
パンくずリストの設置
パンくずリストとは、ユーザーが表示しているページが、サイトのどの階層にいるのかを示すものです。パンくずリストの設置により、クローラーの階層構造を把握する助けになるだけではなく、ユーザーの利便性も向上します。
サイトマップの作成及びサイトの階層構造の最適化
サイトマップを作成することで、Webページの構造を一覧化し、サイト内の情報を取得しやすくします。また、サイトの階層構造の最適化では、基本的には2クリックで目的ページに辿り着くように、構造設計を行います。ユーザーの必要な情報まで、シンプルに辿り着くことが大切です。
今回記載した施策を行うことで、ユーザーに対して有益で見やすいサイトにもつながるため、積極的に実施しましょう。
外部対策
外部対策とは、自社のWebサイトの第三者からの評価を高めるような施策を行うことで、上位表示を目指すSEO対策です。外部対策の具体的な施策としては、被リンクの獲得が挙げられます。被リンクの獲得とは、外部のWebサイトから自社ECサイトに繋がるリンクを設置してもらうことです。
ただし、被リンク数の増加だけを目的とした施策を行うと、Googleからの評価も下げられる可能性があります。そのため、良質な内容や外部の人が紹介したくなるようなECサイトを作ることが大切になります。
コンテンツ対策
コンテンツ対策とは、ユーザーが満足するようなコンテンツ作成を行うことで、上位表示を目指すSEO対策です。多くの良質な満足度の高いコンテンツの発信が、アクセス数の増加や被リンクの獲得につながります。ユーザーの満足度の高いコンテンツを作成するために、まずターゲットとなるペルソナを設定します。
その後、サジェストツールなどで関連するキーワードや検索ボリュームを把握し、キーワードに沿ったコンテンツの作成を行います。このとき、独自の視点も盛り込みながら、オリジナリティの高いコンテンツ作成を目指しましょう。
ユーザビリティの向上
ユーザビリティの向上とは、ユーザーが利用しやすい有用なサイトにすることです。ユーザビリティを向上することで、利用者の満足度が上がり、サイトの離脱も防ぐことが可能です。具体的な施策をいくつか紹介するので、参考にしてください。
モバイルフレンドリー対応
モバイルフレンドリーは、モバイル向けのWebサイトを見やすく、操作しやすくすることです。スマホ利用者が高くなるなか、さらに2018年頃からのモバイルファーストの評価軸の変更などもあり、モバイルフレンドリー対応の重要性は高いです。モバイルフレンドリー対応の具体的な対策は、フォームの最適化やボタン・スクロールの操作性を向上することです。
ページ表示速度の向上
ユーザビリティの観点で、ページ表示速度の向上は重要なポイントです。特に、スマホでWebサイトが閲覧されることも増えるなか、スマホの回線速度はパソコンと比べて遅いです。そのなかでさらにページの表示に時間を要すると、ユーザーはストレスを感じてしまいます。ページの表示速度を向上させるためには、画像サイズを小さくしたり、Javascriptの最適化したり、と多くの対策があります。
ユーザーに分かりやすい導線設計をする
利用者がWebサイトを訪問した際、目的の商品まで分かりやすい導線設計をすることで、ユーザビリティの向上を図れます。Webサイトの分かりやすい導線設計はユーザビリティの向上はもちろん、結果としてコンバージョンにもつながりやすくなります。
ECサイトSEO対策の注意点
ECサイトのSEO対策を行う際には、注意するポイントがいくつか存在します。自分ではSEO対策をしているつもりが、知らないうちにGoogleのガイドラインに違反する行為に該当しているかもしれません。今回紹介する注意点をしっかりと理解して、SEO対策に取り組むようにしましょう。
スパム行為
SEO対策をする際の注意点として、スパム行為があります。Googleが定める品質ガイドラインに違反するSEO対策の行為をすることで、スパム行為として判定されます。スパム行為として判定されると、検索順位が下がるだけではなく、最悪の場合は検索結果に表示されなくなるため、注意しましょう。
スパム行為の代表的なものには、キーワード系スパムとリンク系スパムがあります。まず、キーワード系スパムには、次の3つの行為があります。
隠しテキスト
隠しテキストとは、検索エンジンからは見える一方で、ユーザーから見えにくい箇所にキーワードを埋め込むスパム行為です。例えば、極端に文字サイズを小さくしたり、背景色と同じ色の文字を使用したりします。
隠しフレーム
隠しフレームとは、ページデザインのフレーム箇所にキーワードを埋め込むスパム行為です。例えば、フレーム幅や高さを極小化して、そのフレームに大量のキーワードを埋め込みます。
alt、メタディスクリプション属性スパム
altは、画像を説明するテキスト、メタディスクリプションはGoogleの検索結果に表示されるテキストのことです。コンテンツに関連のあるキーワードであっても、それが大量に埋め込み過ぎてしまうと、スパム行為と判定されます。
また、リンク系スパムには次の2つの行為があります。自作自演や相互リンクなど、大量の被リンクの設置によるスパム行為が該当します。
隠しリンク
隠しリンクは、隠しテキストと同じように、ユーザーから見えないようにリンクを設置するスパム行為です。CCSで背景色と同じ色のリンクにしたり、ユーザーには見えないような小さいフォントで設置したりします。
リンクファーム
リンクファームとは、相互のWebサイト間で大量に被リンクを設置する、自作自演による被リンクの生産方法です。複数のWebサイトを作成し、相互リンクを大量に設置すると、自作自演であるとGoogleに判断されます。
ガイドライン
GoogleはSEOなどのガイドラインを定めていて、SEO対策をするうえでのルールブックとなります。具体的な手法が掲載されているわけではありませんが、実践で検証しながらガイドラインに沿ったSEO対策ができているかの確認が必要です。また先述の通り、Googleのガイドラインに違反してしまうと、スパム行為と判定されて検索結果が下がったり、表示されなくなったりします。
重複コンテンツ
重複コンテンツとは、ドメイン内や複数のドメインにまたがって、他のコンテンツと類似または完全一致するコンテンツのことです。例えば、色違いやサイズ違いの商品を複数のページで登録してる場合などで、該当するケースがあります。基本的に、検索結果の操作意図が見えないものは対象とはなりませんが、場合によっては重複コンテンツに判定させるため注意が必要です。そのため、色違いやサイズ違いの商品は、同一ページ内で掲載するなどの対処をするほうが安全です。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、訪問ユーザーに対して求める情報を提供して、コンバージョンや購買につなげる施策です。この訪問ユーザーを増やすためには、多くのユーザーが興味のあるキーワードを選定して対策する必要があります。それではどのようなキーワード選定が必要であるか、いくつか紹介します。
ロングテールキーワドを狙う
ロングテールキーワードは、複数のキーワードを組み合わせた複合キーワードです。1単語の検索ボリュームが大きいビックキーワードとは異なり、組み合わせる単語自体の検索ボリュームは大きくありません。ただし、ユーザーのニーズに細かくアプローチ可能なため、コンバージョンにつながりやすい特徴があります。
競合が少ない/弱いキーワードを狙う
ECサイトの訪問者を増やすためには、検索結果の上位表示を狙う必要があり、競合が少なかったり、弱いキーワードを狙ったりすることも有効です。競合が多いキーワードは購買にも繋がりやすい一方で、上位表示を目指すのも難しいです。キーワード選定の際には、事前に競合サイトがどれだけいるかも確認するようにしましょう。
確度の高いキーワードを狙う
ECサイトでは訪問者数を増やすだけでなく、商品の購買やコンバージョンにつなげることが重要です。そのため、ユーザーが求める情報をより細分化し、組み合わせることで、購買確度の高いキーワードを選定をします。
共起語を狙う
確度の高いキーワード選定の際には、共起語を狙うことも大切です。共起語とは、メインとなるキーワードと一緒に検索される頻度の高いキーワードのことです。キーワードを組み合わせる際には、共起語を組み合わせることで、ユーザーのニーズに近づけることが可能となります。
まとめ
本記事では、ECサイトに有効なSEO対策の考え方や具体的な対策方法、注意点などを紹介してきました。SEOの大切な考え方やECサイトにおけるSEO対策の重要性、さまざまな施策をご理解いただけたかと思います。
SEO対策は即効性はないですが、コストも抑えられて、継続的な集客力を見込むことが可能です。さらに、適切なキーワード選定や対策を行うことで、コンバージョンや購買促進にもつながります。今回紹介した内容をしっかりと理解して、ECサイトのSEO対策を行ってみてください。
ECサイトのSEO対策は株式会社エッコ
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